ホットドリンクでモテるって本当なの?
2008年にこんな研究が行われました。
「人間って暖かいものに触れてると、相手の評価も良くなるんじゃないの」(1)
結果は、冷たい飲み物に比べ、暖かい飲み物を持っていると相手を優しい人と判断されるようになるそうです。
この研究は結構有名で、恋愛本やビジネス本でも書いてあるのを読んだことがあるのではないでしょうか?
100円のホットコーヒーで、自分の評価が上がるなら安上がりですよね。
まぁ、当たり前ですが、相手の好きな飲み物である必要があります。
(嫌いな飲み物を渡された場合、暖かい飲み物の効果は打ち消され、相手からの印象が下がるそうです)
さて、この話本当に効果があるのかは実はよくわかっていません。
というのも、最近この研究を真っ向から否定する論文が出ています。(2)
簡単に説明すると
「評価人数が少なくてたまたまそんな結果が出たんじゃないの」
って事ですね。
実際に同じような試験をして効果がなかったとの事なので、単純に暖かい飲み物だけでは「モテない」って事になります。
というわけで、ここからが本題です。
上記の研究はあまり良い結果が得られませんでしたが、人は温度に影響を受けている可能性があります。
それが(3)の論文で、これは外の気温が高いと、厳しい判断をされがちになるといった研究です。
アメリカへの移民の審査を20万件ほど調べた結果、外の気温が上昇すると、厳しい判断がされやすくなるそうです。
ここでポイントになるのは、一か所でなく、アメリカの複数の地域で行った研究で、対象はプロの審査をする人であったということ。
簡単に言えば、信頼度が高い報告と言えます。
(もちろん絶対というわけではありません)
そして、実際の審査は快適な室内で行われていたにも関わらず、その日の気温が判断に影響を及ぼしたということです。
この研究一つで言えることではありませんが、気温で気分が変化するということです。
東洋医学では、人間の体は季節の影響を強く受けていると考えています。
しかし、今はエアコンもあるし、建物も気密性が上がって、服も進化して、昔に比べかなり快適に過ごすことができます。
なので、外の環境の影響はあまり関係ないのでは?
と思ってもいたのですが、そんなことはなさそうですね。
個人的には、気温や季節で変化するものを調べられたら面白いと思います。
というわけで、今回は論文読んだ感想をだらだら述べてみました。
おまけ
当たり前のことですが、
・相手の好きなドリンク
・寒い日
・相手が飲み物を欲しがっている
の条件が整っていれば、当然喜ばれますし、あなたへの評価は上がるでしょう。
相手の望むものを渡してるだけなので、ホットドリンクかどうかは関係ないですので、暖かい飲み物にこだわる必要はないとなります。
(1)Experiencing Physical Warmth Promotes Interpersonal Warmth(https://science.sciencemag.org/content/322/5901/606.abstract)
(2)No Evidence That Experiencing Physical Warmth Promotes Interpersonal Warmth
(https://econtent.hogrefe.com/doi/full/10.1027/1864-9335/a000361)
(3)Temperature and Decisions: Evidence from 207,000 Court Cases(https://www.aeaweb.org/articles?id=10.1257/app.20170223#:~:text=Temperature%20and%20Decisions%3A%20Evidence%20from%20207%2C000%20Court%20Cases,-Anthony%20Heyes&text=In%20our%20preferred%20specification%2C%20which,the%20applicant%20by%206.55%20percent.)