千葉の鍼灸便り

大学病院・民間病院で勤務している鍼灸師のブログ。日本中に病鍼連携(病院と鍼灸の連携)を広めることを目的としている。

音楽を聴きながら集中は出来るか問題

こんにちは、渡辺です

 

皆さんは作業する時、音楽を聴きながらやる派でしょうか?それとも静かでないと集中できない派でしょうか?

「ながら」作業はあまり良い話を聞きません。

「ながら運転」とか「テレビ見ながら宿題やるとか」

かっこよく言うとマルチタスクってやつですね。

 

男性に比べ、女性の方がながら作業が得意だと言う話もあります。

お母さんは家事しながら昼ドラ見るけど、お父さんはテレビに集中して野球中継見ているみたいなイメージが私にはあります。

もちろん、ながらで作業が得意な男性もいると思いますし、ながらでテレビの内容なんて全く入ってこないよって女性もいるでしょう。

 

話がそれましたが、結論から言いますと、「ながら作業は集中力を低下させる」と言うのが今の医学の常識です。

まぁ、当たり前の結論なのですが、実は少し続きがあります。

仮に単一の作業が集中力を上げるのであれば、勉強は見て、書いて、覚えると言う3つの作業を同時にやっていることになりますし、筋肉レベルで見ればものすごく複雑なことをやっています。

このブログを書く時も、資料や下書きを参考にしながら、手を動かして、打った文字を確認しながら執筆しています。

どんな作業も細かく見ればながら作業になっているわけで、じゃあ別に他の作業をそこに組み込んでも良いんじゃないの?

と、思ってしまうかもしれません。

 

もちろんこれは間違いです。

 

少し、話は変わりますが、大抵の人は何も意識しないでも歩けると思います。

しかし、歩くと言う作業は非常に複雑で難しい作業です。

例えば、バービー人形の様なものを立たせようと思うと、(製品として立つように調整されていなければ)立たせるのは非常に難しいです。

人形と人間はもちろん違いますが、人間は立つために複数の筋肉を無意識に調整して立って、歩いています。だから大抵の人は、突然倒れたりしませんし、ぼーっとしていてもちゃんと歩くことができます。

マナー的には良くありませんが、歩きスマホができるのは、歩くことに殆ど集中しなくても済んでいるからです。

つまり、ある程度慣れたことであれば、複数の事を同時にやってもそこそこ集中できるわけです。

 

最初の話に戻りますが、ながらでもある程度習熟して慣れたものであれば、高い集中レベルで作業を行うことが可能だろうということです。

逆に、慣れていないことにはながら作業は向いていません。

(最初のお父さんお母さんの話で言うと、普段から家にいて家事をやる事に慣れているお母さんと、普段は会社で仕事をしていて、家では特に何か作業をするわけではないお父さんの場合は、書いたような現象が起きても不自然ではありません。特にお母さんが、日常的にテレビを見ながら家事をしていれば、訓練もされていくわけですから違いが出るのは当然と言えば当然の話とも言えます。あくまで例えなので、女性が家で家事ばかりやっていればよいとか、男性は外で仕事をしていれば、家の事は慣れてないんだからしなくていいという訳ではありませんよ。そこは各家庭で十分話し合ってください)

 

まとめると、作業する時に音楽を聴くのは、作業の慣れによります。

また、音楽を聴く行為が当たり前になれば、そこそこ集中して、他の作業を行えると言うことです。

とある研究では、性格によっては、音楽があった方が効率が上がると言った報告もあるようなので、一概にながら作業はダメとも言えません。

(ただし、意味のある歌が流れる曲はどんな人でも集中力が低下したとも言うので、歌詞が無いピアノメドレーとかインストゥルメンタルなどが良いかと思います)

 

ただし、非常に高い集中を得たいのであれば、余計な外部刺激は無い方が良いので、作業に必要なもの以外何もなく、慣れた安全な環境で、音も聞き慣れた音か無音の環境の方が良いのかもしれません。(長期的には嫌になるかもしれませんが)

特に、ネットやスマホで音楽を聴いている人は、他のコンテンツ(メール、SNS、広告など)に集中を乱されやすいので注意が必要です。

 

ちなみに私は音楽と無音を使い分けています。(クリエイティブな事をする時は無音の方がはかどりますし、単純作業はアップテンポな曲を聞きながらやった方が長時間集中して作業できるように思います)

 

何事も使い分けと、その人の性格ややり方に関わるので、音楽を聴きながら作業をすることは一概に否定できません。新しい事を学ぶときは、無音の方が効果的だと私は個人的に思いますが、個人差はあると思います。

 

一応、世の中にはながら作業をしても全く効率が下がらない人も存在するので、客観的に評価をしていくことが肝要かと思います。

宿題や勉強なら、テストの点が良ければ究極は歌って踊って祈りながらやっていても、それがその人にとっては良い方法だと言えるわけです。

まぁ、仕事のながら作業はミスしたときに厳しく責められる口実になると思いますので、余程自信がある方以外にはおすすめできません。

 

どっちかわからない人は、暗記テストや計算テストをやってみて、自分の特性を判断しても良いかもしれませんね。

 

中途半端な結論になってしまいますが、音楽を聴きながら集中をできるのかについては、その作業の慣れと、個人差によると言うことになります。

ただし、慣れていない事や、瞬間的に非常に高い集中を要する場合は音楽は無しか自然音に留めておく方が良いのではないでしょうか。