千葉の鍼灸便り

大学病院・民間病院で勤務している鍼灸師のブログ。日本中に病鍼連携(病院と鍼灸の連携)を広めることを目的としている。

禁止だけでは上手くいかないし、思考が止まっちゃう

こんにちは、渡辺です。

 

「○○禁止」

例えば、釣り

例えば、野球

例えば、立ち入り

 

等々、世間様々な場所で「禁止」と言われていることを目にされる機会は多いかと思います。

「禁止」とは、絶対ダメって事なわけでして、鍼灸でも絶対鍼をしてはいけない「禁鍼穴」や灸をしてはいけない「禁灸穴」なんて言うのもあります。

眼球とか、生殖器とか、太い動脈とか、誰が考えてもダメってわかる所が殆どです。

 

一方で、ダメって言われるとついついやってしまいたくなるのが人間の性ってやつであります。

もちろん、理由があって禁止されているものは、破ってはいけません。

 

それだと当たり前の話なのですが、例えば勉強しない子にゲーム禁止とか、ダイエットしたい人がおやつ禁止みたいな、何かを達成したい(させたい)が為の禁止ってあるじゃないですか。

先述の、野球禁止や禁鍼穴に関しても

例えば、野球がしたい人からすれば、禁止って言うけど、じゃあどこでやったらいいの?

鍼で言えば、目に刺しちゃダメなのは理解できるけど、じゃあ目の治療は鍼ではできないの?

といった疑問の解決には全く役立ちません。

 

ゲーム禁止をして、子供がその時間マンガ読んでいたら目的は達成されるのでしょうか?

おやつは禁止したけど、スイーツならセーフだよねは、本当にセーフなのでしょうか?

 

禁止するのは非常に簡単なのですが、禁止される方からすれば「禁止」だけでは不親切であって、目的を達成する障害にすらなりえるという訳です。

 

ちなみに鍼だと、目の周りや、手足に目に効果があるとされるツボ(体質や症状によって変化します)があります。

ゲームや漫画を禁止していくよりは、勉強した時間分だけゲームをしてよいや、これをやったら漫画を読んでも良いなどとルール作りをした方が建設的です。

 

今回のまとめは、禁止するよりも、禁止される代わりの代替案や条件に置き換えて考えた方が、上手くいきやすいと言うことです。

 

絶対やっちゃダメなことに対しては、もちろん禁止が正しいですが、譲歩や代わりの提案を加えた方が納得もしやすいですし、選択の幅が広がります。

ダイエットであれば、10000歩歩いたら、300円までのお菓子は食べても良いとかですね。

 

禁止、禁止はストレスになります。

もちろん禁止には理由があるので、安易に破るのは良くありませんが、別の道を模索することは必要だと私は考えています。