千葉の鍼灸便り

大学病院・民間病院で勤務している鍼灸師のブログ。日本中に病鍼連携(病院と鍼灸の連携)を広めることを目的としている。

間接免疫力と東洋医学

こんにちは、渡辺です。

 

新型コロナウイルスが広まる中、千葉大学附属病院でもいつも以上にマスクをつけた方が増えたように思えます。

 

インフルエンザもそうですが、基本的に病気はならないように予防することが最も重要になります。

 

個人でできる予防の一つは

手洗い、マスク、うがいなど、菌を入れない、広めないのウイルスや細菌に注目した予防法です。

寒かったり、時期的にも花粉が広まってきたりと、あまり外を開けたくないとは思いますが、予防としては適度な換気も重要になります。

(花粉症が酷い方は、空気清浄機や掃除機を使ってキレイを心がけるだけでも違います)

 

しかし、予防はそれだけではありません。

 

個人でできる予防のもう一つの柱が「免疫力」です。

鍼灸には昔から免疫力を高める効果があると言われています。

また、論文でもお灸の免疫向上効果は報告されています。

 

と、通常の鍼灸のお話をすると、結局鍼灸は免疫力を上げる良いものなんだよーと言った結論になるのですが、本日は一味違います。

 

タイトル通り

「間接」免疫力

について、少しお話しようと思います。

 

まず、間接免疫力は私の造語です(もしかしたら既に誰かが提唱しているかもしれませんが、それとはたぶん違います(後で見つかれば変更しておきます))

 

鍼灸治療を受けることで、免疫力を上げるのは、直接的な鍼灸の効果ですが、実は鍼灸の免疫力の向上効果は他にもあるのではないかと私は考えています。

 

当院では、自律神経の調整を重視しています。

もちろん、他の症状も確認していますし、治療も行いますが、自律神経を整えることで様々な良い効果を得られると考えています。(現に自律神経失調症の方や、(主訴は別でも)予備軍のような方が多く来院されます)

 

自律神経の話は書くとそれだけで記事になってしまうので割愛しますが、簡単に言うと睡眠や便通の悩みは自律神経の影響を受けていることがあり、自律神経が整うと調子が良くなります。

 

話は変わりますが、免疫力はストレスや睡眠と密接にかかわっています。

過度なストレスや、寝不足はそれだけで免疫力を低下させます。

 

ここまで読んでピンとくる方もいるかもしれませんが、つまり、深く眠れるようになったり、日常のストレスが鍼灸によって改善されることで、間接的に免疫力がアップするわけです。

また、当院では問診で色々お話を聞かせて頂いております。

改めて自分の状態を声に出して答えることで、自分の生活習慣を再認識して、ないがしろにしていた部分や、注目していなかった症状に目を向ける事が出来ます。

その為、治療の直接的な効果ではありませんが、自信で生活習慣を見直すことができ、体調が良くなることで、更に免疫力は高まります。

 

ただ、鍼を体に刺したり、お灸を燃やす以外にも、鍼灸治療を行うことで体に良い影響は起こせるので、この記事を読んで気になった方は鍼灸を受けてみたり、既に受けられている方は、実はそんなことも考えていたんだーとちょっとだけ鍼灸治療の奥深さを知っていただければと思います。

 

※今回の記事は、あくまでも渡辺個人の所感も含んでおりますので、具体的な研究結果等ではありません。必ずしもご希望に添える結果が伴う訳ではありませんので、ご注意ください。

 

読み物として楽しんでいただければと思います。