千葉の鍼灸便り

大学病院・民間病院で勤務している鍼灸師のブログ。日本中に病鍼連携(病院と鍼灸の連携)を広めることを目的としている。

めまいで鍼灸院に行く前に

こんにちは、渡辺です。

全国で600万人以上の人が「めまい」に苦しんでいます。

 

「めまい」のつらい所は、他人につらさが伝わりにくい点です。

 

ふらふら歩いていたり

吐いてしまったりすればわかるのですが

 

大抵の人は、外から症状がわかりにくいものです。

(でも本人は物凄くつらい)

 

めまいは、男性よりは女性に出やすい症状です。

殆どは、三半規管(バランスをコントロールする部分)が弱るとなります。

三半規管は耳にあるので、難聴や耳鳴りなども一緒に起きる事があります。

 

細かく言えば原因は様々ありますが

「目が回る」

「ふらふらする」

「地面がふわふわする」

「ゆれる」

「すぅーっと一瞬気が遠くなる」

などの症状があれば、概ねめまいと言ってよいでしょう。

 

めまいの治療は一般的には、耳鼻科が最初の受診先になります。

心配な方は脳神経外科も一緒に受け、

持病がある方はそちらの病院の先生にも相談しましょう。

 

めまいにクスリが効かない例も多く、死の危険性が少ない病気でもあるので手厚いケアも少ないことが多い為、漢方や鍼灸を受診される方もいらっしゃいます。

 

鍼灸では、ストレス性のめまいや、メニエール病によるめまい等は治療して治るケースがあります。

めまいの治療を前面に出している鍼灸院などもあり、個人的にも鍼灸治療がめまいに有効なケースはあると考えています。

 

ただ、めまいに鍼灸を利用して頂く前に確認してほしいことがあります。

それは、めまいの中には重大な疾患が隠れている場合があり、早めに医療機関を受診した方が良いケースがあるからです。

 

以下に当てはまる方は、鍼灸院よりもまず病院をお勧めします。

1、人生で初めてのめまい

2、めまいと同時に、複数の症状が同時に出現した場合(吐き気、ろれつが回らない、痺れ、記憶が飛ぶ、耳鳴り、難聴、頭痛など)

3、立ちくらみの様に気が遠くなるめまいで、血管や脳などに病気を抱えている場合

4、一人で歩行困難な場合

5、めまいの症状がどんどん悪化している場合

 

もし、この5つに当てはまる場合は、即病院です。

若い人や責任感が強い人はめまいを感じていても我慢するケースがあります。

めまいには怖い病気が隠れていることもそうですが、それよりも大きな問題があります。(軽い症状が実は命に関わる病気のサインだったと言うのは、他の症状にも当てはまりますし、稀な場合が多いです。初めての症状で心配な方は主治医に相談しましょう)

 

話が逸れましたが、めまいを軽視していると問題なのが、転落と交通事故です。

めまい、特に回っちゃうめまいの原因は、三半規管のトラブルのケースが多いです。

そういう方は、早く動くものが近くを通過したり、目を素早く動かしたりすることでめまいの症状を誘発する恐れがあります。

駅のホームからの転落や、車の運転はこのような状況を作りやすく、狭い空間はストレスもかかるので、よりめまいを起こしやすいと言えます。

 

めまいの治療は、病院での薬だけでなく

三半規管を鍛える体操などもあります。

(盲目の人でも体操でめまいの症状が和らいだ例もあるそうです)

 

症状が軽い人は、ある程度我慢すれば日常生活を送る事はできますし、天候によってめまいが出たり出なかったりするので、病院に行くのをためらう人もおりますが、初めてのめまいや、まだ一度も医療機関にかかっていない人は、診察を受けることをお勧めします。

 

病院の治療であまりうまくいかない人は、鍼灸や漢方を試してみてはいかがでしょうか。

早めに対処して、めまいに負けない体を作っていきましょう!