千葉の鍼灸便り

大学病院・民間病院で勤務している鍼灸師のブログ。日本中に病鍼連携(病院と鍼灸の連携)を広めることを目的としている。

熱中症と冷え

こんにちは、渡辺です。

 

気温が30度を超える日が続き、いよいよ夏本番な時期になりました。

 

この時期注意してほしい事の一つに『熱中症』があります。

 

体の中心体温が、必要以上に上がり、めまいや吐き気、頭痛、疲労感などが現れ、最悪死に至る怖い症状です。

(9割以上は命に関わるような症状になる前に対処できるので、対策さえしていれば死亡したり後遺症が残るケースは稀です)

 

熱中症の時重要なのは、深部体温です。

 

通常の体温は、額や脇等で計る、比較的表面の熱です。

それに対して、深部体温は体の中心の温度で、皮膚よりも1度以上高いのが普通です。

 

そして、この温度が一定以上に上がらないように、体は発汗したり、排尿したり、呼吸が荒くなったり、皮膚の血流を高めたりします。

 

しかし、それらを総動員しても外が蒸し暑い場合熱が排出しきれずにいると、深部体温が上昇し熱中症になります。

 

つまり、夏に外で活動する場合、いかに深部体温を下げるかがポイントになります。

 

 

一方で、夏はエアコンによって生じる冷えもあります。

 

実際に鍼灸院にはエアコンで冷えに冷えて、夏なのに全身をお灸や赤外線で温めながら治療する人も来院します。

 

特に夏は、本来暑い時期なので、体は熱を逃がしやすい状態に変化していきます。

逆に言えば、冷えやすい体に変化します。

(この変化が一気に起こる訳ではないので、突然熱くなると体がついていけない人が多く、老人や子供等体が弱い人や、炎天下で作業している人が梅雨明け以降急に熱くなって熱中症になります)

 

なので、梅雨明けを過ぎてしばらくたつと暑さになれて、少し症状が楽になったり、過ごしやすくなります(それでも暑いですが)。

 

この様に、現代社会では、温めすぎると熱中症、冷やしすぎると冷えになってしまい、体調管理が非常に難しい時期でもあります。

 

もちろん、暑い外で活動する時は、冷え性の人でも冷たい水をしっかり補給すべきですし、暑がりの人でも、涼しい部屋の中では汗位しっかり拭いて、出来れば乾いた服に着替えるべきです。

ただ、その微妙なバランスがとりにくかったり、仕事で中々思い通りにならない人もいると思います。

 

鍼灸は脈診や舌診などを駆使して体の、熱い、寒いを判断して治療をしていますので、少しでも体調が心配な人にはお勧めでもあります。

 

ただし、暑い中で活動したあと、嘔吐やめまい、脱力感、けいれんなど明らかにおかしい場合はまず病院です。

まだまだ暑い時期が続きますが、しっかり体調管理して乗り切りましょう!