千葉の鍼灸便り

大学病院・民間病院で勤務している鍼灸師のブログ。日本中に病鍼連携(病院と鍼灸の連携)を広めることを目的としている。

めまいの治療に関して

こんにちは、渡辺です。

 

「めまい」と一言で言っても原因も症状も様々ですが、日本には600万人以上の方がめまいに悩まされています。

 

分類の仕方は様々ではありますが、本日は

①回転性めまい(世界がクルクル回るようなめまい)

②浮動性めまい(足元がふわふわと雲の上を歩くような感じのめまい)

にわけて、東洋医学的な解決方法をお話したいと思います。

 

【注】めまいを感じた場合は、まずは耳鼻咽喉科での診察をお勧めします。特に症状が強い方は出歩くのにも危険が伴いますので、たかがめまいと侮らず、可能であれば介助者についてもらい、病院へ行きましょう。

 

病院へ行ったものの、一向にめまい感が取れない方には、鍼灸や漢方が奏効するかも知れません。

 

まず、我々は治療するときに患者さんから多くの情報を得るため、問診を行います。

めまいの場合、重要なポイントとして先ほど挙げた、回転性なのか、浮動性なのかの鑑別です。

 

①回転性のめまいの場合

まずは、上逆と言う症状を疑います。

簡単に言えば、イライラや、ストレスがたまりやすい人、神経質な人、考え始めると止まらない人など、頭の方にエネルギーを送りやすい人が予備軍と考えられます。

特に難治性のめまいの方で、回転性の場合、これらの性格や環境が当てはまる人は要注意です。

先週の様なじめっと蒸し暑い気候もよろしくありません。

イライラ、ストレスの原因や、悩みの元、蒸し暑い環境が解消されないと中々治りにくいと思います。

働き盛りの方や、子育てに忙しい方は要注意です。

気分転換やセルフコーチングなどで、上手く心の状態をコントロールできると症状が軽減する可能性があります。

 

②浮動性のめまいの場合

可能性としては、エネルギー不足。

特に高齢で、長期のめまい(浮動性)を患っている方はこの可能性が高いです。

薬や鍼灸だけでなく、めまいに対するトレーニングも合わせる事でより効果を高めることが可能です。

めまいの体操として、耳鼻科の医師が本を出したり公演をしているので、そちらを参考に、体力をつけていきましょう。

 

回転性めまいの方も同様ですが、めまいがあると活動量が下がります。

めまいがわからない方は、車酔いやコーヒーカップに乗って目が回った症状がずっと継続するようなものだと思うとわかりやすいでしょうか?

運動が非常に億劫になります。

しかし、筋力や骨は使って刺激を入れて行かないとどんどんと退化していきます。

 

難治性のめまいに関しては、中々良い新薬が出ず、死ぬ病でない場合が殆どであるため軽く見られる傾向があります。

また、他人に症状がわかりにくい病気でもある為、共感もしてもらいにくい病気です。

 

鍼灸でも良くなる患者さんもおりますので、めまいに悩んでいる場合は鍼灸を試してみるのも一つの選択肢だと思います。