千葉の鍼灸便り

大学病院・民間病院で勤務している鍼灸師のブログ。日本中に病鍼連携(病院と鍼灸の連携)を広めることを目的としている。

卵の力(白身篇)

こんにちは、渡辺です。

 

今日は卵についてお話します。

 

もちろん、普通に皆様が食べている「ニワトリの卵」のお話です。

 

卵は、漢方的には殻、薄皮(正式には卵殻膜で、ゆで卵とかむくときにイライラするあの薄い膜の事です)、白身、黄身に分けてそれぞれ効能が違います。

目で見ても、それぞれが違うものだと言うことは何となくは感覚的に理解できるのではないでしょうか?

 

特に黄身と白身は料理でも使い分けるように、色々作用が違うので、分けてお話します。

前半に当たる今回は、タイトル通り「白身」についてです。

 

料理だと「卵白」、漢方だと「鶏子白(けいしはく)」や「鶏子精(けいしせい)」と名前が付きます。

透明な見た目なので、黄身よりもないがしろにされがちなのですが、、、

実は低糖低脂肪で、高タンパク低カロリー、しかも卵のタンパク質は殆どのアミノ酸が含まれています(質の良いタンパク質と言うことです)

また、白身にはリゾチームと言う溶菌作用のある酵素(簡単に言えば菌を殺す酵素)が含まれているので、医薬品や食品添加物としても利用されています。

なので、のどの痛みや嗄れに良いとされています。

 

昔は、生の卵に小さな穴をあけて、指を突っ込んでひょう疽の治療に民間療法として用いられていたそうです。

 

一方で清熱作用があり、性質として微寒なので、冷えやすい方はゆで卵にしたり、常温に戻して食べてみてください。(消化吸収の点からは茹でた方が優秀らしいです)

 

言うまでもないですが、健康のためには単独のものだけを食べまくるのは間違いです。

 

ちなみに余談ですが、卵殻膜は「鳳凰衣(ほうおうい)」と非常にかっこいい名前がついています。(効能としては体液を増やしたり(補陰)、咳を止める(止咳)効果があるそうです)