千葉の鍼灸便り

大学病院・民間病院で勤務している鍼灸師のブログ。日本中に病鍼連携(病院と鍼灸の連携)を広めることを目的としている。

梅雨から夏へ。どう過ごす?

こんにちは木嶋です。

 

やっとモヤモヤした梅雨が明けましたね。

 

今年の梅雨の雨の降り方は

昔の(昔のって)シトシト降る雨と違って

極端で目まぐるしく変化して

体がついていくのが大変だったのでは

ないでしょうか。

 


梅雨の季節は湿度が高くジメジメして
しかも雨で気温も少し下がるので

体も冷えます。


自然の気候ですが人体に影響を及ぼすものを「外邪」といいます
梅雨時に多いのは湿邪でした。


湿邪が増えて体に影響すると

体内の脾の力が影響を受けて、

浮腫んだり、

全身が怠くなったり
食欲が落ちたりします。

 


陰陽五行で

脾は木火土金水の「土」にあたります。

「土」は季節でいうと「土用」

季節の変わり目に当たります。

 


その季節の変わり目を過ぎると

次の季節に入っていくわけです。

 


今、8月に入ってやっと「夏」になりました。


梅雨の季節で弱った脾と胃は

この夏に上向いてきます。


陰陽五行で夏は「心」が司っています。


五行でいうと心「火」の次が脾「土」です。


何しろお隣通しは仲良しなので
弱った時は助けてくれます。


なので梅雨の湿邪にやられた脾は

夏になって心の力に助けられて温まり

水がさばけるようになってきます。


心の力で汗も出ますからね。

 


夏は「心」(陰陽五行の火)の働く季節です。


夏の気は「暑」

人体に影響をもたらす邪とすれば

「暑邪」です。


私たちの体は平熱を保つために

常にバランスを取っています。


夏は気温が高いので、

体温が上がり過ぎないように

脈を速くして、体表に浮かせ
血流を良くし

血液を冷却する事で体温を

正常に保とうとします。

 


また汗を出させる事で

熱を放出し体温を下げているのです。

 


こんな暑い夏はどのように

過ごせば良いでしょうか。

 


夏は「心」ががんばって働く季節


心は五行でいうと「火」ですから

熱いエネルギーを持っています。

 


血液循環を活発にして、
がんばって体温の上昇を防いでいるのです。

 


そんな「心」を助けるのは

手前のお隣さんの「肝」です。

肝は「木」のエネルギーです。


「木」は上に外に向かって

成長していきますから
四方八方に伸びて届ける作用があるのです。


心の循環を助けます。


また、「肝」(木)の味と言ったら

「酸味」です。


「夏なのに汗がかけない」

「心に負担がある」そんな時は

お食事に酸味を足してあげてください。


果物、特に柑橘類もいいですね!


筋肉も上がり、脂肪や糖分を分解しやすく
消化の助けとなり「心」を助け
血流を速く、冷却力を強めます。


また現代では「エアコン」という素晴らしい文明の力がありますが、
特に今年はコロナ禍で

室内にいる事が多いと思いますので

冷やしすぎには注意が必要です。
(夏の冷やしすぎは冬の体の萎えに繋がります)


本来の外気は「夏」の暑さですから
気温が高いのが普通なのです。


人間の体に夏はこたえますはが

(心がフル活動しますからね)
それでも四季のある日本に暮らす

私たちには必要なサイクルなのです。


かといって、暑さをガマンして

熱中症になってもよくありません。


人間の体って、不思議で

室内にいても案外
夏の外気の暑さを感じているものですので
汗をかかなくても

こまめな水分補給は大切です。


熱い時はガマンなどせずに

クーラーをつけましょうね。

 


日本の夏は湿邪も多いので
空気を乾燥させる事でも快適になります。

(乾燥は脾胃の消化の助けにもなります。)


あとは扇風機や団扇


「風」は「木」の気なので「心」を助けてくれます。


木陰や水辺の心地よい風などは

考えただけでも

心安らかにしてくれますよね(*´ω`*)

 

 

 


そして

一番暑邪が高い時は夏のお昼時です。


夏のお昼はうたた寝してもいい時間帯です。


少し横になってゴロゴロゆるゆる

体を休ませましょう。


横になると腎(水)の機能が活発になって
真夏のお昼にオーバーヒートしそうな

「心」の火力を水の力で納めてくれます。

 

 

 

あと、気をつけたいのは

お風呂上がりやとっても暑かった後の

急激に冷たい物を飲む事です。

 

 

夏のお風呂上がりはプハー!っと

したいものかもしれませんが、

少しお風呂上がり時間を置いて

体を冷ましてからにすると

いいかもしれません。

 

 

 

 

 

…と言っても、ムリかも〜〜w w!

 

 

みんな食べたいものは食べたいし

飲みたいものは飲みたいですもんね!

 

 

 

私もそうでもん^ ^

 

そうは言ってもなかなか出来ない事も

ありますから

ゆるくいきましょうね♪

 

 

 

 

食べ物の影響ってね

直ぐには出ないんですよ。

 

習慣は長い時間かかって影響してくるので

ちょっと伝えたかったのです。

 

 

でもやりたい事やって

食べたいもの食べた方が

健康かもしれないと思う自分もいて

 

 

結果、その方の好きにするのが

一番だと思う今日この頃。

 

 

 

 


あともう少し。


食事についてですが、出来れば食事は火の通ったものを。
飲み物は冷えていてもいいので一度火の通ったものを。


夏は脾胃の力も強くなりますが、体内は体温そんなに変わらないので冷やしすぎると消化の火が弱くなって心に負担をかけることもあります。


夏の食物は栄養価が高く、少しの量で良いように自然となっています。
代謝もそんなに高くない時期ですからね。


よく噛んで、消化を助けることで
心を助けて夏を乗り切りましょうね。

 

もちろん汗が出た分

水分、ミネラル補給は忘れずに。


あと、心の力を助ける味としては

「苦味」があります。

苦いものにも挑戦してみてくださいね^ ^

 

 

 

 

結局、いつもがんばっている体ちゃんを

時々は労ってあげてほしいと思う木嶋でした。

 

 

 

 

長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

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涼しい木陰道♡