未病未病と言うけれど、出典はここなんだよって話
<超訳>黄帝内経(四気調神大論第二 その7)
こんにちは、渡辺です。
皆さん、未病治してますか?
「未病」って言葉、東洋医学にちょっとでも興味がある人なら聞いたことがあると思います。
今日はそんな未病の由来となった部分の解説になります。
ここの例えが最高に良い出来なので、何度でも読み返したい部分ですね。
それでは、本日も超訳始めてみようと思います!
<超訳>
養生の大原則に従っていれば、元気に生きることができる。
従わなければ、死ぬしかない。
真に養生を極めた人は、病になる前にこれを予防し、未然に病気にならないようにする。
なぜならば、病気になってから薬を飲むのでは遅いからだ。
喉が渇いてから井戸を掘ったり、戦争が起きてから武器を作ったりするのではすでに手遅れであるのと同じだからである。
<解説と言う名の感想>
もはや、今回に解説は必要なのだろうか?
そう思えるくらい、個々の完成度は高く、とても簡単な説明で、ものすごく味わい深いこと言ってます(私の解説とは月とスッポンですねぇ)。
前半部分は、私の原文では三行になっていますが、ちょっとくどい所です。
養生に従って生きるんだよ
と繰り返しているわけですね。
「養生」と一言で言っても、中身はかなり複雑で結局何なのかは、最後までこの本を読んでも解決しません(私はしませんでした)。
それくらい、聖人になるには学ぶべきことが多いのだと思います。
そして、養生を極めたら、病になる間に病気を治す「未病」を実践することが可能と言う事でしょう。
鍼灸でも、究極の治療は「未病」を治すことです。
その為に、今の症状だけでなく様々な内容を問診し、脈を診たり、舌を観察したりしています。
最初にも書きましたが、ここの例えが非常に秀逸なので、一々付け加える必要もありませんが、書いてある通り
「喉が渇いてから井戸を掘るのは遅い」
病気(といってもここで言ってるのは、取り返しのつかない病気の方がイメージしやすいと思います)になってから対処するのでは遅いと言うことです。
病気だけではありませんが、大抵取り返しがつかない事の原因は些細な怠慢の蓄積です。
もちろん、不慮の事故はありますが、やはり自分の油断や不摂生、不注意、手抜き、先延ばし、無自覚、無計画等々反省すべき点が含まれているものです。
そして、大きな問題が起きるまでは、見過ごしてしまいがちです。
なので、戦争が起きてから武器を作り始めるような事になってしまう。
僅か一行の部分ですが、黄帝内経の中でも屈指の引用回数を誇る部分であると思います。
第二章の締めくくりとしても、非常にまとまりがあって良い部分だとは思いませんか?
<原文>
従陰陽則生、逆之則死。
従之則治、逆之則乱。
反順爲逆、是謂内格。
是故聖人不治已病治未病、不治已乱治未乱、此之謂也。
夫病已成而後薬之、乱已成而後治之、譬猶渇而穿井、闘而鑄錐、不亦晩乎。
<おまけ>(中国語直訳)
陰と陽に従えば生き、逆らえば死ぬ。
陰陽に従えば生まれ、逆らえば死ぬ、陰陽に従えば支配され、逆らえば無秩序になる。
陰陽に従えば生まれ、逆らえば死ぬ、陰陽に従えば治療を受け、逆らえば乱れる。
だからこそ、聖人は病人を治療して未病人を治療するのではなく、無秩序なものを治療して混沌としたものを治療するのでもないのです。
病気を治した後に薬を塗り、カオスを起こした後に薬を治したのであれば、例えば井戸に力を入れたり、円錐を壁に押し付けたりするのは悪いことではありません。
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