千葉の鍼灸便り

大学病院・民間病院で勤務している鍼灸師のブログ。日本中に病鍼連携(病院と鍼灸の連携)を広めることを目的としている。

異常気象が起きたら聖人しか生き残れないのか問題

<超訳>黄帝内経(四気調神大論第二 その5)

 

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こんにちは、渡辺です。

 

皆さん養生してますか?

養生って一言で言っても、食事、運動、睡眠、鍼や灸に漢方など様々ありますし、ネットで情報も溢れすぎてて何が正しいのか、何を選んだらいいのかわからず、困ってしまうのではないでしょうか?

私もそう思います。

 

溢れる情報に振り回されないようにするためにも、勉強する必要がある訳ですね。

 

という訳で、本日も学んでいきましょう!

超訳の始まりです。

 

<超訳>

基本的に天(自然)は、調和がとれており永遠で純粋なエネルギーで満ち溢れている。

その調和が崩れると、天を照らす月や太陽が隠れ、邪気が体に侵入し、天地の気が失調し、水の循環が狂い、多くの命が失われていく。

竜巻や嵐などの天災も発生し、四季のバランスも崩れ、若くして死んでしまう人が増える。

ただどんな状況にあっても(養生を極めた)聖人は、体調が悪くなったり病になったりせずに、元気のままでいられる。

 

<解説と言う名の感想>

 色々壮大なことが書いてありますが、結局聖人無敵って言いたいんでしょうか?

 もちろん、そんなことは無いと思います。

 ここでの説明は文脈的に考えると、四季の養生に従っていれば基本的には健康に天寿を全うできる。しかし、四季の変化とは異なった気象変化(冷夏暖冬や、日本の様に梅雨があったり等)があるせいで、時に応用が必要である。

 この応用ができる人を聖人と言っているのだと思います。

 

 つまり、自然と調和して生きることは、季節の流れに合わせるような簡単なものだけでなく、今生きている環境や特異的な気象現象などにも上手に調和していく必要があって、その為に多くの事を学ぶべきですよと伝えたいのではないかと私は考えています。

 この四気調神論は、全部で80章前後ある「黄帝内経<素問>」の第2章に当たる部分なので、一般的な原則(つまり肌で覚えた養生(例えば寒い時は厚着するとか、太陽の運行に合わせて寝起きするとか))だけじゃなくて、もっと様々な事を知らないと真に健康には過ごせませんよ、と読者に理解してもらう章なのだと思います。

 そう考えると、四季の養生がやけにシンプルなのも理解できます(逆に言えば、書いてある事はそれぐらい重要な基本原則だと考えることもできると思いますが)

 最初に解説した上古天真論から続くプロローグ、前書き的な部分とも言えますね。

 

 原文的には短いのですが、四季の所でなんとなく感じていた「ちょっと養生法シンプルすぎないか」と言うモヤモヤを解決してくれているセクションだと私は思いました。

 

 

<原文>

天気清浄光明者也。

蔵徳不止。

故不下也。

天明則日月不明、邪害空竅、陽気者閉塞、地気者冒明。

雲霧不精、則上應白露不下、交通不表、萬物命故不施。

不施則名木多死。

悪気不発、風雨不節、白露不下、則菀稾不栄。

賊風数至、暴雨数起、天地四時不相保、与道相失、則未央絶滅。

唯聖人従之、故身無奇病、萬物不失、生気不竭。

 

<おまけ>(中国語直訳)

空は澄んでいて、光は明るい。

クルトク。

同じではありません。

空が明るければ、太陽と月が澄んでおらず、気の卦が邪気となり、陽気が塞がれ、地が照らされています。

雲も霧も晴れていなければ、露は降ってはいけないし、交通はテーブルの上にはないし、万物の運命は与えられていない。

やらないと死んでしまいます。

悪悪気が発達しなければ、風雨が予測できなければ、露が来なければ、花を養うことができません。

盗賊の風雨を数えて、天地は常に守られず、道を見失っている。

この星には賢者しかいないので、体に奇病がなく、すべてのものが失われず、生命力が枯渇することもない。

 

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