千葉の鍼灸便り

大学病院・民間病院で勤務している鍼灸師のブログ。日本中に病鍼連携(病院と鍼灸の連携)を広めることを目的としている。

感情と病気

こんにちは。いいたかたかこです。

病は「気」からとよくいいますが、


気持ちと体の変調の関係についてのおはなしです。

先日お友達がこんなことを言っていました

「なんだか最近些細なことで怒ってしまうのよね
ここへ来るまでの間も、前の車がタラタラ走っているのが
やたらにむかついちゃって、頭がカッカしていらいらしちゃった。

話は変わるんだけど、最近ものすごい顔がほてって
顔を冷やしても冷やしても、すぐに熱くなっちゃってね、
なのに、手足は氷のように冷めたくて、
手袋して、分厚い靴下はいて生活しているのよ・・」

これは実際のお話です。

精神的に偏った状態が続くことで体調にも変調が起こり
いづれ病気を引き起こしてしまう。

これを東洋医学では「七情:しちじょう」といいます。

それは強い負の感情に限らず、気の緩みすぎ、
また小さなストレスの積み重ねでも、それが長期間にわたることで
七情の病となるのです。

現代でいうと、慢性的なストレスで胃潰瘍ができる。といいますよね。

このようなことを、東洋医学ではとても大切に考えているのです。

さて
この方ですが、怒りの感情が肝臓の「肝」を傷つけてしまっている、
または「肝」の失調で怒りの感情のコントロールがうまくできなくなっている。
とも考えられます。

東洋医学では「肝」が変調すると気がうまく動かなくなり
気はのぼる性質をもっているので、肝の気は上がったままになってしまって
それと一緒に血も上がってしまうため、怒りやすい、手足の冷えなどという
身体と心、両面に症状があらわれるのです。

そんなときはぜひ太衝というツボを押してみてください。
①鼻からゆっくり息を吸い、口から細く息を吐きます(遠くのろうそくを優しく吹き消すイメージかな)呼吸だけをまずは3回行います。
(これはプラーナヤーマといって吸気と呼気、それぞれの呼吸の気を意識に取り込み、今から「気」を動かしますよ~と自身に合図を送るのですね)
②この呼吸を意識しながら、一息吸って、吐く息のタイミングで「太衝」を同時に刺激します。これを呼吸とともに3回行います。
(押すのは指でもよいですが、ボールペンの先などをつかって※芯はしまって。気持ちよい程度に刺激します)

是非やってみてくださいね

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太衝