千葉の鍼灸便り

大学病院・民間病院で勤務している鍼灸師のブログ。日本中に病鍼連携(病院と鍼灸の連携)を広めることを目的としている。

寝ようとするとひどくなる咳。なぜ?肺や呼吸のメカニズムと交感神経と副交感神経神経

こんにちは木嶋です。

 


1月も半ばに差し掛かり、とても寒い日も出てきましたね。

 


皆さん風邪など引かないように体調に気を付けてくださいね。

 


寒くなって、風邪をひきやすい季節

コンコン咳をしている方もいらっしゃるかもしれませんね。

 


咳や痰などがひどくなると夜眠れないという方もいらっしゃると思います。

 

 

 

そこで肺について、呼吸について

書いてみたいと思います。

 

 

 

 


まず肺は体に酸素を取り込み

要らなくなった二酸化炭素を吐き出して

いますね。

 


これを「呼吸」といいます。

 

 

 

肺は外から入ってきた空気と血液の間の

酸素や二酸化炭素のやり取りをしています。

 


肺に空気を送り届けるのが「気管」です。

 

 

 

吸う息で、鼻や口から空気を取り込んで

 


吐く息で、要らなくなった二酸化炭素を

吐き出しています。

 

 

 

 


普段、私たちは無意識に呼吸をしています。

 


ではどうやって吸ったり吐いたりして

いるのでしょうか。。

 


肺自体が動いているのでしょうか?。。

 

 

 

実は肺には筋肉がないのです。

 

 

 

肺は弾力のある繊維で出来ています。

弾力があるのでいつも縮もうとします。

 


(膨らませる前の風船みたいに!)

 

 

 

それを周りの空間の圧力を低くする事で

縮こまっている風船みたいな肺を

引っ張って伸ばして大きさを保っています。

 

 

 

なので肺はいつも引っ張られて

がんばっているのです!

 

 

 

そして、私たちが息を吸う時

 


肺には膨らむ筋肉がないので

脳からの司令によって

 


肺の周りの筋肉達を使って

肺のある胸部を膨らませ、

 

 

 

ゴム風船みたいな肺を引っ張って広げて

空気を取り込んでいます。

 

 

 

逆に、吐く時は吸うために使った

胸部を膨らませる筋肉を緩めて

 


肺を小さくして吐いています。

(ゴム風船がしぼむみたいに)

 

 

 

この肺の働きは脳の呼吸の中枢によってコントロールされていて

体内の酸素量などの変化によって

調節されます。

 

 

 

それは自律神経(交感神経と副交感神経)の

働きによるもので

私たちは無意識でも呼吸する事が出来ます。

 


(いつも意識しないといけなかったらしんどいですよね(汗))

 

 

 

 


自律神経が吸う筋肉、吐く筋肉に

指令を出しています。

 

 

 

 


それは私たちの祖先を思い出して

いただくと分かりやすいです…

 

 

 

私たち祖先はかつて狩をして暮らして

いました。

 


マンモスとの戦いです!

 

 

 

「やるか、やられるか!」です(笑)

 

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倒さなせれば食料も手に入りませんし

失敗すれば逃げ遅れ

踏み潰されるかもしれません!

 

 

 

興奮と緊張の連続です。

たくさん考えて、

たくさん動がなければなりません。

 


体は脳は心拍数を上げて、呼吸も激しく

たくさん酸素を取り込んで

戦う為の各臓器が良く働けるように

酸素を供給し

指令を出します。

 


だってそうしないと命に関わりますから!

 

元来の生きていく手段です!


相手マンモスですから!

 

 

 

なので戦いモード、

興奮している時、

要するに交感神経が優位に働いている時は

気管も広がって酸素を取り込み安く

なっています。

 

 

 

 


逆にリラックスしている時は

副交感神経優位になり

呼吸もゆっくり。

 


そんなにたくさん酸素を取り込まなくても

普通の呼吸で十分酸素は足ります。

 


興奮して戦わなくていいのですからね。

 

 

 

 

 

 

副交感優位になると

交感神経で止められていた

胃腸の消化活動が活発になったり

 


寝ている時に放出されやすい

「成長ホルモン」により

細胞が修復されたり

 


免疫力が上がったり

 

 

 

いい事尽くめですね^ ^

 

(もちろん交感神経が悪者ではありません。どちらもなくてはならない大切な自律神経です♡)

 

 

 

 

 

しかし人によってはつらいこともあります。

 


副交感優位になると自然に

気管の筋肉は収縮して

(肺にはないけど気管には筋肉があります)

 


空気の通り道を狭くします。

 

 

 

 


例えば風邪で咳が酷かったり

喘息を持っていたり

 

 

 

夜寝ようとして布団に入ったら

咳が酷くなって寝られなくなった

なんてことはありませんか?

 

 

 

咳で寝られないってツライですよね。

 

 

 

 


寝る時に体はそんなにたくさんは

酸素を必要としないので

肺を動かさなくていいですし

自然なことなのですが

 

 

 

喘息や咳など様々な病気的な原因によって

過度に末端の気管支などが収縮してしまう事が起こる事があります。

 

しかも寝る時には副交感優位で

気管の筋肉は

収縮傾向になるので

起きている時よりも咳発作は起きやすくなります。

 

 

 


そんな時は体を少し斜めに起こして寝るとか

枕を高くするとかしてみると

少しだけ楽に呼吸出来るかもしれません。

 

 

 

布団に真っ直ぐになって寝るより

体が起きていた方が

呼吸筋を使いやすいのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、呼吸に使う骨格の筋肉は自分でも

意識して使うことの出来る筋肉なので

 


意識的に

 


たくさん吸ったり吐いたり(深呼吸)

 


早く呼吸したり

 


ゆっく〜〜り呼吸したり

 


息を止めたりも出来ます。

 

 

 

 

 

 

呼吸は無意識でも出来ますし、

自分で意識的にコントロールする事も

出来るわけです。

 

 

 

 


「肺」は人間の体の臓器の中で

唯一、自分の意志でコントロール

する事の出来る臓器です。

 

 

 

 


例えば、交感神経優位になって

血圧も上がり

浅く、速い呼吸になっているようなとき、

 


(忙しかったり、集中していたりする時に

意外と息してなかった!なんて事もあります)

 

 

 

 


そんな時は

 


意識して

 


呼吸をゆっく〜〜り

 


大き〜〜く

 

 

 

 


吸ってーーーーー。

 

 

 

吐いてーーーーー。。

 


はぁぁ〜〜〜〜〜(*´Д`*)♡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と先に

 


副交感神経優位な

ゆっくりリラックスモードの呼吸に

してみると

 


体は「あ。呼吸がゆっくりになった。

 


緩んでいいんだ〜〜」と

 


伸びをして

 

 

 

 


心臓のドキドキもおさまって

 


血圧も下がりますし、

 

 

 

自らメンテナンスを始めたり

 


食べたものを消化し出したり

 


生き生きと活動し始めます。

 

 

 

 

 

 

 


(2回目ですがw)

 


心臓や胃腸を勝手に止めたり進めたりは

 


出来ませんが

 

 

 

呼吸だけは

 


自分でコントロールする事が出来ます。

 

 

 

 

 

 

 


気持ちが忙しい時ほど、

 


先に

 


ゆっくりの呼吸にしてみてくださいね♡

 

 

 

 

 

 

そして時々、ストレッチをしたり

 


体を動かして

 


体の隅々まで血の流れをよくして

 


リフレッシュしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 


今日も一日健やかにお過ごしください。

 

 

 

 


木嶋