千葉の鍼灸便り

大学病院・民間病院で勤務している鍼灸師のブログ。日本中に病鍼連携(病院と鍼灸の連携)を広めることを目的としている。

クリスマスイブに嬉しい贈り物の贈り方

こんにちは、渡辺です。

 

この時期、なんだかんだ出費が多くなるものです。

忘年会は元より、誰かにものをあげたり、お出かけしたり・・・

 

最近、年を取ってきたからなのか、贈り物の相談をされることがあります。

大切な人であっても、そこそこの関係であっても贈り物をするからには喜んでもらいたいものです。

 

一般的には

高いもの=価値が高い=人の心に響きやすい

と言った図式が成立するので、大切な人ほど高い価値の物を渡したくなります。

 

年上や上司相手でもそうかもしれません。

みすぼらしいものは渡せない、と。

 

しかし、人間の心は面白いもので、そんな簡単にはいかないものです。

 

過去に振り返って、一番印象に残ってる贈り物は何でしょうか?

それは、一番高いものだったでしょうか?

 

仮に一番高いものだったとして、嬉しい記憶ですか?

「こんなに高いもの貰って申し訳ない」とかではなく

 

人それぞれですが、お金で考えたら大して価値のないものではないでしょうか?

 

科学的にも、お金で得られる幸せには限界値があるとされています。

そりゃお金は使って初めて価値があるものなので、使えないお金はあってもただの紙でしかありません。

 

話は逸れましたが、価値あるものはお金だけでは測れるものではありません。

人にとっては落書きでも、自分の子供が一生懸命書いた自分の似顔絵であれば、自分にとっては得難い価値があるものになります。

 

これは受け売りですが、価値はそのものに宿るストーリから産まれると

 

例えば、先程の似顔絵であれば、自分の子供が自分の為に一生懸命書いたプロセスが価値を生んでいるわけです。

 

スーパーでも、ただのみかんより、○○産とか、無農薬、限定などがついていた方が高いですよね?

ブランドもそうです。

そのもの自体の価値にストーリーがくっつくことでより価値が高まる訳です。

 

反対に言えば、高いものを買っても、そのもの自体の価値やストーリーを理解してもらえなければ、極端な話100均で買った便利グッズの方が嬉しいと思う可能性もあるわけです。

 

私は下手の横好きなので、マフラーを編んでみたこともあるのですが(途中で挫折しましたが)、あれは物凄い大変なものです。

慣れればそんなことないのかもしれませんが、同じ作業を淡々と何時間も続けるのは非常に大変で、もし作った人がいれば尊敬します。

 

女性から、男性が恋人から貰って嬉しいものは?と聞かれたら、間違いなく手編みのマフラーと答えるくらいには、マフラーを作るのは大変です。

流石に、知り合い程度からもらったら困惑しますが・・・

恋人や家族からもらったら相当嬉しいものだと私は思います。

 

ただ、誰しもがそうではない訳です。

マフラー編む大変さがわからない人は、もしかしたらカシミアのマフラーの方が喜ぶかもしれませんし、趣味がマフラー編みの彼なら色々気になってしまうかもしれません。

 

つまり、誰かに贈り物をする時は、自分が贈るものに感じている価値と、受け取る側が感じる価値は異なると言うことです。

 

じゃあ何を贈れば良いの?ってなる訳ですが、簡単なのは相手が最初から価値を感じているもの=欲しいもの。

欲しいものがわからなかったり、サプライズを考えるのであれば、価値がわかるようなストーリーをちゃんと知ってもらうことです。

高級なお菓子だと箱に、いかにこのお菓子が凄いのか書いてありますよね?

最高級の小麦使用

3つ星シェフが監修

モンドセレクション金賞

等々

要はそれと同じことをすれば良いわけです。

 

必要以上に誇示することは、それこそ押しつけがましいですが、正しい価値を知ってもらうことは非常に重要です。

 

我々が提供している鍼灸も似たところがあります。

1時間で安くはない金額を頂いて治療をしています。

時間は1時間ですが、その一時間を提供するために、学校で最低3年しっかり勉強して、その後も何人もの患者さんと向き合い、学会や勉強会に参加し、本や論文を読んで勉強しています。

料理もそうですよね?

食材の原価の何倍も料金を取られますが、提供する料理人は何千何万時間も料理の修行をして、提供するスタッフのサービスや内装も時間とお金をかけています。(もちろんそうではないところがある事もありますが)

 

渡すのは一瞬の贈り物ですが、そこに込められた価値を正しく知ってもらうことは、相手の心に残る価値あるものにするために重要なことだと私は思います。

特にマニアックなものを贈る場合は、ちゃんと相手がわかってもらえるか考えるか、渡してからしっかりプレゼンする方が良いわけです。

プレゼントだけに。

 

お後がよろしいようで。

メリークリスマス!