千葉の鍼灸便り

大学病院・民間病院で勤務している鍼灸師のブログ。日本中に病鍼連携(病院と鍼灸の連携)を広めることを目的としている。

子どもの漢方

こんにちは、渡辺です。

 

本日は鍼灸ではなく、漢方のお話です。

 

私は、千葉大学の漢方を研究する研究室に所属しております。

今のテーマがちょうど小児の漢方なため、色々と情報を集めております。

 

「漢方薬は普通の薬に比べて、副作用が少なく安全」

といったイメージを持っている方が多いかと思います。

 

しかし一方で、漢方の副作用を取り上げた記事が、年に何回か特集されます。

実際に漢方を使用することで、副作用により無くなってしまった人は残念なことですがいます。

ただ、もちろん数はそこまで多くありませんし、専門科に処方されている人であればそこまで心配する必要は無いかと思います。

 

こんな事を書くと、子供に漢方を飲ませるのは心配になるかと思います。

病院で処方される粉の漢方薬(エキス製剤)の説明には、小児に関しては別途「小児等に対する安全性は確立していない(ツムラ)」と書かれています。

注意してほしいのは、危険であるという訳ではないと言うことです。

一見、子供に飲ませてはいけないようにも取れる文章ですが、そうではなく、「大人に比べ子供に対する漢方薬の投薬に関する基準が明確でない」と言う解釈の方が正しいと思います。

体の大きさや内臓の成長具合などは、年齢だけでなく大人以上に個人差が子供にはあります。

そのため、効果があって安全が担保されいる量を求めるのは困難になります。

薄く、少なくすれば副作用は減りますが、効果も減ります。

医師が処方する場合は、西洋薬と同様に体重を基準に、大人から減らした量が処方されっることが多いと思います。

 

子どもへの投薬は、細心の注意が必要と言うことですね。

 

研究者目線で言うと、小児に対する漢方薬は十分に効果があると思います(実際に私が調べただけでも4000本以上論文があります)。

ただ一方で、安易に薬局などで購入して使うのはお勧めできません。

 

東洋医学は患者さんの状態を把握して、初めて治療方法が決定されます。

子どもの事は親御さんが一番詳しいかもしれませんが、小さい子供は自分の状態を上手く説明することが苦手です。

 

私としては、可能であれば漢方医の所へいって処方してもらうのが安全かと思います。