千葉の鍼灸便り

大学病院・民間病院で勤務している鍼灸師のブログ。日本中に病鍼連携(病院と鍼灸の連携)を広めることを目的としている。

臨床の基礎に立ち返る2(糖尿病2)

渡辺です

 

引き続き糖尿病の勉強ノートの公開です。

 

前回のおさらい3行で

人間は、血液の中に「血糖」と言う形でエネルギーを蓄えている

糖尿病は「血糖」が血液中に慢性的に多くなる病気

現代医学では治らない

 

糖尿病は血糖をコントロールする機能が、上手く働かなくなると発症します。

もちろん、遺伝的な要素もありますし、生まれながらにコントロールが上手くできない人もいます。

しかし、問題なのは生活習慣で糖尿病になる場合です。

 

食べ過ぎ

偏食

運動不足

肥満

 

など、糖尿病になりやすい原因を放置、継続した結果です。

 

糖尿病の何が怖いの?

 

いろいろありますが、主に細い血管が詰まる事によって発生する合併症が問題です。

 

細い血管なので大したことなさそうに感じます。

切ったり擦りむいたりした場合も、細い血管が破壊されています。

こういう怪我の場合は、体の自己治癒力で新しい組織が再生されます。

なので、多少血管が切れたり、壊れたりしても通常は治ります。

 

しかし、細い血管は、治る場所だけにある訳ではありません。

 

例えば、目、腎臓、神経にも細い血管は通っています。

ここの血管が詰まったらどうでしょうか?

 

目は、最悪見えなくなります。

腎臓は、血液をろ過できなくなります。

神経は、感覚がなくなったり、運動が出来なくなります。

心臓も、脳にも細い血管はあります。

 

小さな怪我ならともかく、代わりのない場所の血管が壊れたり、詰まったりすることがどれだけ怖いかよくわかると思います。

もちろん、糖尿病になってすぐにこういった症状が発生するわけではありませんが、治療が必要になります。

残念なことに、現在は糖尿病を完全に治す方法は私の調べた限り見つかりませんでした。

 

糖尿病は怖い

 

なので、普段の予防が大切になります。

基本は食事と運動です。

 

 

糖尿病になっても運動すれば改善するの?

 

糖尿病を学んで、私が一番勉強になったのがこの点です。

 

糖尿病の予防は運動が大切ですと、繰り返し書いてきましたが、糖尿病になった後は運動が危険なケースもあります。

マッサージや整体なども、運動に関連するので注意が必要になります。

基本的には糖尿病になった場合でも、発症初期は基本的に健康的な人と殆ど変わりないそうです。

しかし、進行してくると運動のやり方によっては病気を悪化させてしまうこともありますので、試してみる前に一度担当の医師に相談されることがベストだと思います。

 

 

また、糖尿病になると白血球(特に好中球)の働きを弱めてしまいます。

簡単に言えば、病気にかかりやすくなります。

 

糖尿病が進行している人に鍼灸をする場合に注意が必要なのは、この点です。

 

糖尿病患者さんは、免疫が低下している場合があり、更には先述の血管が細くなり、神経系に問題があり感覚障害を併発していることがあるので、足にお灸や鍼をする場合は注意する必要があります。

鍼やお灸の傷口から感染症を引き起こすこともあります。

 

消毒もそうですが、糖尿病に対する知識を持ち、治療する部位や方法を慎重に選択する必要があります。(

 

切が良いので、今回はここらへんで。