千葉の鍼灸便り

大学病院・民間病院で勤務している鍼灸師のブログ。日本中に病鍼連携(病院と鍼灸の連携)を広めることを目的としている。

ホットヨガは健康に役立つのか?

こんにちは

 

最近は温かくなって、朝早く起きるのも楽になって密かに喜んでいる渡辺です。

 

東洋医学のお話をすると付きまとうのが、西洋医学的解釈からの科学的正しさとの相違に関して(簡単に言えば、科学では説明つかなかったり、矛盾する事)なのですが、、、気にしすぎると話が全くできなくなってしまうので、こういう解釈もできるよと読み物として楽しんでいただけると良いかと思います。

 

という訳で、本日のテーマは「汗」です。

 

複数の人から、ホットヨガってどうなのさ?

と質問をいただいたので、汗に注目しながら考えていこうと思います。

 

まず、ヨガに関しては(良い悪いはありますが)ストレスを減らしたり、自律神経を整えたり、腰痛改善効果があったりと報告、論文が海外ではいくらか出ています。

特に、ストレス解消には高確率で効果があると言えます。

(全てのヨガと名の付くものがそうとは言っていません)

 

ヨガでなくとも、体を動かすことが健康づくりに重要なことは言うまでもありません。

運動することで、気の巡りが良くなります。

 

じゃあ、ホットヨガも健康に良いんじゃないの?

ってなりそうなのですが、それはちょっと短絡的すぎます。

 

 

 

東洋医学的に、汗は毒素ではなく、津液という体の物質で、発汗すると津液と共に気のエネルギーも外へ放出してしまいます。

もちろん、適度の発汗は体の熱を外へ放出し、気持ちを爽快にさせますので、汗をかくこと=悪い事にはなりません。

 

しかし、大量の汗は、体の津液(血液以外の水分)をを著しく失わせ、血液をドロドロにします(東洋医学的にですよ)

そして、気も損耗するので必要以上に体が疲れてしまいます。

 

また、奏理(そうり)という、体の内と外のつなぐ皮膚の穴(の様なもの)を発汗によって拡大する為、冷たい風(冷えの元)が体内に入り込みやすくなります。

 

夏場のクーラーが苦手な方や、冬場に冷えがつらい方はより体を冷やしてしまいます。

 

 

なので、疲れやすい(気の不足)、冷え性(体が冷えてる)方にはあまりお勧めできません。

全面否定ではないですよ。ただ、何事も優先順位があると言うことですね。

 

運動不足の老人に全力階段ダッシュとかさせないでしょう?

 

体力あり余って、ほとんど汗をかかない人はありかもしれません。

(ここら辺がよくわからないところなのですが、基本的に動物は熱い中激しい活動はしないので、ホットヨガと言うスタイルがどういった効用があるんでしょうか?夏場は日中の運動はあまりしないようにと言われますよね)

 

なので、ホットヨガのサイトをちらりと見ると、運動によるデトックスとダイエットが大きく取り上げられていたので、一応私なりの考えを述べますが

 

たぶん、デトックスは汗の事言ってるのですよね

ただ、汗のデトックス効果も微妙なところで、汗の99%は水、残りが塩分に代表される各種ミネラル、そしてデトックスが対象としている毒素とくくられる物質などです(あいまいなのは、デトックスで対象にしている物質が正しく定義されていないためです)

 

仮に1リットル汗をかいても、デトックス効果は1gもあるかわからないと言うことです(1%は水換算で10gですが、ミネラルや通常の物質の方が主要成分ですのでこのように表現しました。もちろん体内の状況によっても変化するとは思います)。

 

ダイエットに関しては、一瞬の体重減少ならホットヨガもありかもしれませんが、前日から絶食した方が効果的です。(なら組み合わせたらとか思ったそこのあなた、自己流の絶食をした上、大量に発汗したら倒れます。最悪死にますのでお勧めできないですよ)

それに、汗を大量にだす=脂肪がたくさん燃えるは成り立ちません。(高強度の運動の方がカロリーを消耗しますが、汗の出る量で比較できるわけではありません)

長期的には、ヨガよりも筋トレして筋肉増やした方が基礎代謝が上昇するので、ホットヨガよりも筋トレが良いと思います。(普通のトレーニングではムキムキにはなりませんし、正しく鍛えた筋肉は柔らかさも兼ね備えているのでごつごつには普通なりません)

 

結論から言うと、ホットヨガを選ぶ理由がわからないと言うのが、私の見解です。

 

ただし、ホットヨガをして気分が爽快になって、充実した一日が過ごせているのであれば、継続を否定するものではありません。

やらない方が良いよと言うよりは、他にも良い手段があるから、そっちを勧めたいって結論ですね。

 

ストレスや柔軟性はヨガで十分ですし、運動ならウォーキングでもランニングでも筋トレでも自分に合った継続しやすいものを選択した方が良いと思います。

 

長々となりましたが、最後までお付き合いありがとうございました。